ゲノム日記 Genome Diary

ゲノム解析についてのメモランダム

インスリン受容の阻害要因について調査 / Investigating inhibitory factors in insulin reception

インスリンの挙動をコンピュータでシミュレーションすることができれば、有機化学的証明をフィールド実験無しで実践することができた事になる。少なくとも生体実験を不要にするための第一歩になる。

インスリンとその受容体(レセプター)との間に何らかの阻害要因が存在することを確認するプロセスをシミュレーションできないか確認してみた。

結論としては、インスリン抵抗性を発生させるTNF-αなどがあるが、メカニズムは間接的なものであり、インスリン、レセプター、阻害要因の3者での挙動を確認するという発想自体が適切でないことがわかった。そのため、よりシンプルに考えるため、インスリンとレセプターの接続について次回に検討することにする。

If we could simulate insulin behavior on a computer, it would mean that we could carry out organic chemistry verification without field experiments. At the very least, it would be a first step toward eliminating the need for in vivo experiments.

We tried to see if it is possible to simulate the process of confirming the presence of some inhibitory factors between insulin and its receptor.

In conclusion, there are factors such as TNF-α that cause insulin resistance, but the mechanism is indirect, and we found that the idea of ​​confirming the behavior of insulin, receptor, and inhibitor in a three-party system is not appropriate. Therefore, to simplify our approach, we will examine the connection between insulin and its receptor next time.

以下は、検討時のメモ。あまり有用ではないが一応残しておく。

Q:インスリン受容体について

A:インスリン受容体は、インスリンと結合することで細胞内のシグナル伝達を誘導し、インスリンの生理的効果を発揮する細胞表面の膜貫通型受容体です。インスリン受容体は、αサブユニットとβサブユニットの2つのサブユニットで構成されています。αサブユニットは約731個、βサブユニットは約620個のアミノ酸で構成されており、それぞれ異なるアミノ酸配列と立体構造を持ちます。

インスリン受容体は、インスリンとの相互作用を通じて細胞内のグルコース取り込みを促進し、血糖値を調節する役割を果たしています。インスリン受容体の複雑な構造は、インスリンとの結合やシグナル伝達の調節機構に関与しています。インスリンと比較して、インスリン受容体はより多くのアミノ酸と複雑な立体構造を持っていることが特徴です。

Q:インスリンインスリン受容体との間の阻害要因となる物質をリストアップしてください

A:インスリンインスリン受容体との相互作用を阻害する物質は、インスリン作用の抑制やインスリン抵抗性の原因となることがあります。いくつかの阻害要因には以下のものがあります。

インスリン受容体抗体:一部の疾患や自己免疫疾患で生成されることがある抗体で、インスリン受容体に結合してインスリン作用を阻害する。

(以下略)

Q:抗インスリン受容体抗体の化学的構造を教えて下さい

A:抗インスリン受容体抗体は、免疫系が生成する特異的なタンパク質で、その標的となるインスリン受容体の一部に結合します。抗体は一般的に免疫グロブリン(Ig)と呼ばれるタンパク質で構成されており、主にIgG、IgM、IgA、IgD、IgEの5つのクラスに分類されます。抗インスリン受容体抗体は通常、IgGクラスに属します。

抗体の構造は、2本の重鎖と2本の軽鎖からなるY字型構造をしています。それぞれの鎖は定数領域(C領域)と可変領域(V領域)を持ち、可変領域は標的抗原(ここではインスリン受容体)と結合する部分です。抗体の可変領域は、高度な多様性を持ち、個々の抗インスリン受容体抗体に固有の配列を有します。

インスリン受容体抗体の正確な化学的構造は、その抗体の特異性や個人差によって異なります。そのため、一般的な化学的構造を示すことは困難です。しかし、これらの抗体は、免疫グロブリン構造の基本的な特徴を持っていることが共通しています。

(色々調べて、TNF-αにたどり着く)

Q:TNF-αはインスリンインスリン受容体との間の阻害要因となり得ますか?

A:はい、TNF-α(tumor necrosis factor-alpha)はインスリン抵抗性の発症に関与することが知られています。インスリン抵抗性は、インスリンの作用が低下し、血糖調節がうまく機能しなくなる状態です。これは、2型糖尿病の主要な要因となります。

TNF-αは、インスリンシグナル伝達経路に悪影響を与えることでインスリン抵抗性を引き起こすとされています。TNF-αは、インスリン受容体の基質タンパク質(IRS-1)のリン酸化を阻害することで、インスリンシグナル伝達を妨げます。これにより、インスリン受容体からのシグナルが正常に伝達されず、インスリンの作用が低下します。

また、TNF-αは、インスリン受容体の発現量や感受性にも影響を与えることが示唆されています。これらの影響により、TNF-αはインスリンインスリン受容体との間の阻害要因となり得ます。ただし、TNF-αの作用は、インスリン受容体自体と直接結合することによるものではなく、インスリンシグナル伝達経路に対する影響を介しています。

Q:TNF-αの化学的構造を教えて下さい

A:TNF-α (tumor necrosis factor-alpha) は、約17キロダルトンシステイン残基を含む糖タンパク質であり、主にマクロファージによって産生されるサイトカインです。TNF-αは、炎症、免疫応答、細胞増殖、細胞死など、多くの生理的および病態生理的プロセスに関与しています。

TNF-αは、主に三量体として活性を発揮し、各モノマーは157アミノ酸からなります。TNF-αのアミノ酸配列は、ヒトおよび他の哺乳類間で高度に保存されています。TNF-αは、システイン残基間の二硫黄結合によって安定化された三次構造を持っています。

化学的構造に関するより詳細な情報については、PDB(タンパク質データバンク)のエントリーや構造解析を参照してください。ヒトのTNF-αの構造は、PDB ID 1TNF などで入手できます。

調べたらこれがあった

https://www.rcsb.org/structure/1tnf

Q:TNF-αがインスリンインスリン受容体との間の阻害要因となっていることを説明している論文を教えて下さい。

A:TNF-αがインスリン抵抗性の発生に関与していることを示す論文はいくつかありますが、1つの代表的な論文は以下のものです。

Title: "Tumor necrosis factor-alpha induces insulin resistance in skeletal muscle by activation of inhibitor kappa B kinase in a p38 MAPK-dependent manner" Authors: de Alvaro, C., Teruel, T., Hernandez, R., Lorenzo, M. Journal: Journal of Biological Chemistry Year: 2004 Volume: 279 Issue: 17 Pages: 17070-17078

この論文では、筆者らはTNF-αが骨格筋のインスリン抵抗性を引き起こすメカニズムを調べています。筆者らは、TNF-αがイノシトールリン酸リン酸の生成を阻害し、インスリンシグナル伝達を抑制することを示しました。この抑制作用は、p38 MAPK依存性のIκBキナーゼの活性化を介して行われていることが示されています。この研究は、TNF-αがインスリン抵抗性の発生に関与していることを示す重要な証拠を提供しています。

ただし、この論文はTNF-αが直接インスリン受容体と結合することを示すものではありません。TNF-αは、インスリンシグナル伝達経路の他の構成要素に影響を与えることで、間接的にインスリン抵抗性を引き起こすと考えられています。

以下かと https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/14764603/

Q: TNF-αは、インスリンシグナル伝達経路の他の構成要素に影響を与えることで、間接的にインスリン抵抗性を引き起こすと考えられています。

この部分についてもう少し詳しく教えて下さい

A:TNF-α(腫瘍壊死因子-α)は、炎症反応や免疫応答を制御するサイトカインの一種で、特に肥満の状態で増加し、インスリン抵抗性の発生に関与することが知られています。TNF-αがインスリン抵抗性を引き起こす主なメカニズムは、インスリンシグナル伝達経路に影響を与えることです。

インスリンシグナル伝達経路は、インスリンインスリン受容体に結合した後、細胞内で様々なタンパク質のリン酸化や脱リン酸化といった一連の反応を引き起こし、最終的にインスリンの作用(例えば、糖や脂質の取り込みや代謝)が実現される経路です。

TNF-αは、このインスリンシグナル伝達経路に干渉し、特にインスリン受容体基質1(IRS-1)やAkt(プロテインキナーゼB)などの鍵となるタンパク質に作用します。TNF-αは、これらのタンパク質のリン酸化状態を変化させることで、インスリンシグナル伝達を阻害します。その結果、インスリンが正常に作用せず、インスリン抵抗性が引き起こされます。

また、TNF-αは、脂肪組織での脂肪酸の放出を促進し、これが血中の脂肪酸濃度を上昇させることで、インスリン抵抗性の発生をさらに促進することが示唆されています。

ただし、TNF-αの作用は複雑で、個々の状況や他の因子と相互作用することがあります。このため、TNF-αがインスリン抵抗性に与える影響は、個々の状況や他の因子と相互作用することがあります。

Q:TNF-αはインスリンインスリン受容体との間で直接的な阻害要因ではなく、間接的な阻害要因と考えられているわけですね。明らかに直接的な阻害要因となっている他のタンパク質はありますか?

A:そうです、TNF-αはインスリンインスリン受容体の間で直接的な阻害要因として働くのではなく、インスリンシグナル伝達経路に影響を与えることで間接的にインスリン抵抗性を引き起こします。

直接的な阻害要因として働くタンパク質は、インスリン受容体の活性化を阻害するタンパク質であるインスリン受容体のペプチド阻害因子(IRPI)が存在します。IRPIは、インスリン受容体の細胞外ドメインに結合してインスリンとの結合を阻害することで、インスリンシグナル伝達の阻害を引き起こします。しかし、IRPIに関する研究は限られており、詳細な機構や機能についてはまだ完全に解明されていません。

Q:IRPIについての、化学的構造を知りたいのですが、PDBなどに存在しますか?ヒトインスリンに影響を及ぼすIRPIについて知りたいです。

A:申し訳ありませんが、私の知識データベースは2021年9月までの情報しか持っていませんので、2021年9月以降に発見されたIRPIに関する情報は提供できません。私の知識範囲内では、ヒトインスリン受容体のペプチド阻害因子(IRPI)に関する具体的な化学的構造やPDBエントリーに関する情報はありません。今後の研究で新たな情報が明らかになる可能性はありますが、現時点では詳細については不明です。

※ IRPIというキーワードは調べたが見つからなかったので、直接的な阻害要因については信頼が疑わしい情報であると思う。